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昨年7月まで国土交通省で、川の仕事をしていました。その間様々なところで洪水対策の話をしてきました。
「そもそも、異常気象なんてない。自然現象は、もともと異常」、「人間が勝手に大雨や洪水の量を想定しても、自然は人間の想定範囲にとどまってくれない」、「勝手に想定した洪水を土でできた高い堤防の中に押さえ込もうとしてきたことが、かえって多くの人命を失う危険性を高めている」、「このことに目をつむって、堤防を頼りに街を造り、人が集まり、地下街まで造り、洪水に対して極めて脆い、危険きわまりない地域で私たちは生活している」
では、どうすればいいのか。「力ずくで洪水を川に押し込めるのではなく、洪水のエネルギーを川にできるだけ集中させないように、地域で水を溜める。」「もうこれ以上私たちの目先の安全や便利や快適のために川を変えるのではなく、私たちの住み方、生き方、地域の姿を変えることによって、どんな洪水であっても命だけは取られないしたたかな地域を造る」
私たちが造ってきたとんでもなく危険で脆い地域、このままの状態を子どもや孫の世代に引き継ぐことは避けたい。すぐにできなくとも、せめてこれまでの方向を修正していくということだけでも社会的に共有して動きだせればと思います。しかし、このことは極めて難しいことです。既存の組織に頼っていても、なかなか動きだしません。結局は住民自らが、自らの命のため、家族の命のため、子どもや孫の命のために、危機意識をもって動くことしかないように思います。
役人をやめて一人の住民になり、真っ先にやろうとしたのが雨水貯留でした。いくら口で「地域で水を溜めることが大切」と言っていても、自らが何もしていないのでは誰も共感しないし、動かない。とにかく、自分でできることをやっていく。たった200Lであっても、我が家の雨水貯留はその一歩です。
(寄稿 株式会社 樽徳商店 代表取締役、 元 国土交通省近畿地方整備局河川部長、宮本博司 様)
当会より、5月に宮本さん提供のプラスティクタンクを加工して、2階のベランダに取り付けました。10月13日(土)の雨水セミナーで詳しくお話しいただけます。
(上田正幸 追記)
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