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自転車先進都市より

自転車は未来の乗り物

ヨーロッパ自転車政策先進都市より

第2回 ドイツでもっとも自転車が使える都市、ミュンスター

藤本 芳一(環境市民 理事、自転車チームちゃり民)


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環状自転車道

■自転車が交通の主役の街

 ミュンスター市は、ルール工業地帯から北へ50kmほどの所にある人口28万人の街だ。このあたりまで来ると工業地帯からは離れ、牧場が広がるのどかな景色になる。ミュンスターというのは「大聖堂」という意味で、その名の通り大聖堂を中心に古い街並みをそのまま残した歴史都市だ。ここでは街中の交通の43%を自転車が占めている。その直径1km程度の旧市街をとりまくように、昔の堀を埋め立てて、環状自転車道が作られている。緑に囲まれた広くぜいたくな造りで両側には歩道も設けられ、時速20kmぐらいで多くの自転車が走っている。旧市街のほとんどの道は自転車および歩行者専用か、自転車優先道路。自転車優先道路では車は一方通行で時速30kmに制限されている。交差点のたびに一方通行の向きを逆にして走りにくくしてあり、実際バス以外の車はほとんど走っていない。

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駅前駐輪場 "Radstation"

■ミュンスター市の象徴"Radstation"

 ミュンスター市を象徴するのが「ラートスタチオン」と名付けられた駐輪場だ。駅前広場のど真ん中に、ガラス張りの斬新な駐輪場があり、自転車は地下に収容するようになっている。使用料は1日0.7ユーロ(約85円)。収容台数は3300台。そのうちの150台はレンタサイクルで、レンタサイクルには7段変速付きの一般自転車の他、マウンテンバイク、子ども用、後部に子ども用のいす付き、さらには、荷物運搬用、タンデム(2人乗り)などまで用意されている。
 自転車を置くだけではなく、自転車修理や自転車部品、そして自転車自体の販売も行われ、自動洗車機やロッカーも備えられている。ここ以外にも駅前には屋外の無料駐輪場が多く設けられているが、安全性などを考えてこの有料駐輪場を使う人は多いようだ。

■街中にも多くの駐輪スタンド

 街中にも、広場や商店街等、人の集まるところには必ず前輪を固定する駐輪スタンドが用意されている。駅前の商店街でも、歩行者専用の道の3分の1ほどに自転車が駐輪され、日本だとたいてい不法駐輪になるところだがここではちゃんと駐輪ラックが用意されている。自転車があふれても、車が通らないから歩くスペースは十分あるし、一部を駐輪場にしてしまった方が多くの人にとって便利だということだろう。

■自転車中心の政策の利点

 街中だけではなく、郊外まで、ほとんどの道にあたりまえのように自転車道が併設されているし、自転車専用の信号も設けられ、交差点でも自転車用の停止線を車より前に設けるなど、あらゆる面で自転車が優先されている。
 市の自転車政策担当者に聞いた話では、自転車政策は安く済むとのことだ。すでにある道に自転車道をつくるのは、あまり金がかからない。重要なのは「何かを決定するときに常に自転車を優先すること。そこには経済的な要素はなくていかに決定するかということだけ」だそうだ。また「自転車中心の政策に弊害はないか?」という質問もしたが「自転車が増えることは、不要な車が減るため車がスムーズに走れるということでもある。従って弊害はない」とのことだった。

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