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第3回 自転車の地位向上を、ADFC(一般ドイツ自転車クラブ)の挑戦

藤本 芳一(環境市民 理事、自転車チームちゃり民)


■ドイツ最大の自転車団体

 ドイツで自転車の地位向上のために、大きな力になってきたのがADFCの活動である。ADFCを一言で表すと自転車のJAF(日本自動車連盟)だと言われる。ADFCは1979年に設立され、本部はブレーメンにある。現在会員は10万7000人。自転車は一般的に徒歩に次いで移動距離が短いため、地域に根ざした活動をしなければならない。そのためドイツ16州すべてに支部を置いており、市町村レベルの支部を合わせると支部の総数は400にもなる。

写真
ADFCの会報 "RadWelt"

■活動の2つの柱

 ADFCの活動には大きく2つの柱がある。ひとつは自転車環境を整備するためのロビー活動※。そのために自転車や交通問題一般の研究も行っている。もうひとつは、会員へのサービスである。ADFCの予算の80%は会費によりまかなわれており、会員へのサービスには次のようなものがある。

  1. 保険事業 ADFCの会費には、徒歩、自転車、公共交通で移動したときの賠償義務、権利保護の保険が含まれる。
  2. 出版・広報活動 隔月で「RadWelt(自転車世界)」という雑誌を発行している。内容は自転車関係の法律から、ツアーや修理の方法など多岐に渡る。
  3. 自転車旅行中のパンク修理など出張修理
  4. 自転車道地図の作成と販売
  5. 自転車旅行計画のプランニングの支援 各支部で自転車旅行の相談に乗る。
  6. 自転車旅行時に会員相互に宿泊場所を提供 ADFC会員がドイツ国内に自転車で旅行に出かける場合に、会員相互で宿泊場所を無料で提供し合うというシステムがある。自分が行く地域に住む会員を紹介してもらい、その人の家に泊めてもらったり、庭にテントを張らせてもらったりする。
  7. 自転車ステーションの運営 駅前などにある駐輪場と自転車修理、部品の販売、レンタサイクルなどが一緒になった自転車ステーションの運営に協力している。
  8. 修理を学ぶためのクラス
  9. インターネットのオンラインショップ 自転車用品の販売。
  10. ベット&バイク(Bett & Bike) 自転車旅行者にとって使いやすい基準を満たしたホテル、ペンション、ユースホステル、キャンプ場などを一覧にして冊子で販売する。

■テーマは環境から健康、楽しみへ

 ADFC設立時、自転車をPRするための一番大切なテーマは環境問題だった。ドイツは環境意識が高いと言われる。しかし今の人たちは健康やフィットネスには関心があるが、環境意識はあまりないそうだ。環境がテーマでも健康がテーマでも自転車に乗ってもらうという結果は同じ。だから現在は健康や楽しみの面をテーマにするようになっている。
 ADFCが今一番大切だと思っているのは自転車ツアーだ。今ドイツでは失業が大きな問題になっているが、自転車ツアーは新しい観光産業の開発になり、仕事を増やすことにつながる。またドイツでは政治家たちにも若い頃にサイクリングのいい思い出を持っている人が多い。だから自転車ツアーは政治家にも受け入れられやすいそうだ。
 次回はドイツの自転車ツアーについてさらに詳しく紹介する。

※行政や議会に政策提案し、その実現のため直接働きかける。

参考:清水真哉「『一般ドイツ自転車クラブ』の活動と理念」

http://boat.zero.ad.jp/~zbj34761/verkehr/ADFC.html

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