市民参画の重要性
地域の環境の将来像を決めるのに、地域の市民や事業者の参加が必要なのは言うまでもありません。これまでの、もともと自治体と関係の深い団体代表を審議会等に若干名参加させる“形式的な市民参加”でも、「計画」は作れますが、それでは策定後、誰も関心を持たず、自治体といっしょに計画実現のため、本気で汗を流してくれる市民・事業者はいないからです。
自治体の不安
そのため、計画策定委員を市民から公募する自治体もでてきました。なかにはすべての委員を公募する自治体もあります。しかし、まだまだ多くの自治体職員の思いに、「公募はしたいが、公募でどんな人が集まるか不安」「専門知識のない市民が、環境基本計画の策定などできるのか」といった不安や懸念があります。一方、市民の側にも、「行政は口先ばかりで、本当に意味のあることをやりたがらない」という不信感があります。関東のある市では、集まった市民委員がめいめい不満を吐き出すだけで議論にならず、結局何もできずに終わったこともあったそうです。
コーディネートの大切さ
行政担当者と市民、両者の不安を解消しながら、委員自らが計画策定できるよう援助するのがコーディネーターの役割です。そのため、自分たちの地域にどんな問題があるか、委員の活動経験や行政の情報を引き出しながら学習するとともに、それを解決・改善するための課題を考える作業を繰り返します。それら課題を共有し、地域の将来ビジョンを描く作業を委員や行政担当者と根気よく続けながら、市民、事業者、行政など、社会経験や立場、関心がそれぞれ違う委員たちの仲間意識が高まり、協働の大切さの認識が深まるよう働きかけていきます。
環境基本計画策定のコーディネーターは、専門性を持ち、中立的な立場でいられるNGOだからこそできる役割であると言えます。
環境市民の活動経験が活きる
持続可能な地域の将来ビジョンを描くには、ごみ問題や交通問題など、個別問題の解決・改善ではなく、総合的な取り組みと、市民、事業者、行政の協働を不可欠な要件として考える必要があります。その援助において、グリーンコンシューマー活動や環境首都コンテストなど、環境市民の多分野に渡る自主的な活動とその総合化の経験、自治体や企業とのパートナーシップ活動の経験、さらには国内外の先進事例など豊富な情報が役立ちます。地域の問題を考えていく中で、自治体と市民、事業者の協働の大切さ、また環境の取り組みをすすめることが地域の経済発展に寄与しうることなどを委員が実感できるよう伝え、刺激を与えています。こういった環境市民の活動経験自体も、環境基本計画の実現に向けた市民組織立ち上げの参考とされています。
計画づくりだけでなく、人を育てる
環境市民は、公募委員を中心にした市民会議のコーディネート、および環境基本計画等の策定支援事業に多くの実績があります。しかし環境市民は、計画策定の支援だけでなく、「人」も育てます。はじめは自治体に不信・不満をもっていた委員、地域がかかえている問題の整理や課題抽出がうまくできなかった委員、自分の意見を出すのが苦手だった委員を、前向きな議論ができるように変えてきました。この分野における私たちの本当の実績は、地域で活動する人たちを育ててきたことかもしれません。
また、「人づくり」を目的とした「地域活動リーダー養成」でも、各種の講座に実績があります。詳しくは、「地域活動リーダー養成」をご覧ください。
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