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ものづくりの優先順位を明確に!
循環基本計画 ヒアリング |
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循環型社会を目指して「ものづくりの優先順位」を明確に!
ー環境省 中央環境審議会循環型社会計画部会
循環型社会形成推進基本計画 ヒアリング内容ー
NPO法人環境市民では、中央環境審議会循環型社会計画部会が、循環型社会形成推進基本計画の見直しのために実施している地方ヒアリングにおいて、下記の通り、意見発表を行いました。ヒアリングは全国2カ所(福島県と京都府)において、NGO・産業界・地方公共団体等を対象に実施され、京都では、京都府、京都市、株式会社 村田製作所、株式会社カスタネット、NPO法人コンシューマーズ京都、そしてNPO法人環境市民がヒアリングを受けました。当日は、事務局長・堀
孝弘が約20分発言し、その後質問を受けました。
発表の中で、同計画の第2章の中で、循環型社会のイメージが語られているものの、その目標として第3章で設定されてあるものは発生抑制ではなく、リサイクルをも含む目標であるため、第2章のイメージが実現できなくなってしまう可能性があることを指摘。容器リサイクル法など個別法を例にとりながら、実際の課題と、解決方法を事例をあげながら説明しました。また、最後に、この計画にある循環型社会を築くためには、市民セクターの協力が不可欠であり、そのためにはNGOの果たす役割が重要であることを主張しました。
発表テーマ:循環型社会形成推進基本計画
第2章に描かれた「循環型社会のイメージ」を実現するために
とき:2005年9月16日(金)14時から
場所:ホテルニュー京都
発表:事務局長 堀孝弘
〈発表内容〉
◆「循環型社会形成推進基本計画」第2章に描かれた「循環型社会のイメージ」
「循環型社会形成推進基本計画」第2章の「循環型社会のイメージ」は、まさに、多くの市民団体・NPOが求め、目指してきたものであります。また、環境問題に真剣に取り組み、環境経営を目指す企業にとっても、このような社会が国の計画の中で描かれているのは心強いことと思います。
ただ、どのように実現するかが大きな課題であり、現在もこの課題は変わっていないと思います。各主体個別の奮闘、個人の心がけ、一部企業のがんばりだけでは当然実現しません。
《第2章「循環型社会のイメージ」要点》
ものが大切に使われ、長寿命製品が支持され、修理・メンテナンス産業が盛んとなる。
モノを所有することにこだわらず、レンタル・リースが盛んとなる。
リユース容器が支持され、広く普及する。
国内のバイオ資源など循環・再生利用可能な資源が活用される など
◆第2章「イメージ」と目標のずれ
第3章「目標」の中で、一般ごみ〈家庭系・事業計〉の削減目標20%(平成12年度比・目標年度平成22年度)と記されています。意欲的な目標ですが、ただし書きとして、「資源回収されたものを除く」と記されています。
つまり、家庭や事業所から出るごみが増え続けても、リサイクルが盛んになれば目標は達成できるわけです。例えば、現在のごみ排出量が100として、これが120に増加しても、そのうち3分の1がリサイクルされたら、差し引き80になります。つまりこれでも20%減になるわけです。発生抑制の考えでいけば、
資源回収されたものを含めた削減目標が必要ではないでしょうか
また、「循環基本法」にも「廃棄物処理の優先順位」が記されています。それによると、1.まずごみになるものを発生させない〈発生抑制〉、2.再使用できるものはリユースする、3.再生利用〈マテリアルリサイクル〉、4.熱回収〈サーマルリサイクル〉、5.適正処分 となっています。しかし、本当に必要なのは「ものづくりの優先順位」であると考えます。
《循環基本法・廃棄物処理の優先順位》
1. まずごみになるものを発生させない〈発生抑制〉
2. 再使用できるものはリユースする
3. 再生利用〈マテリアルリサイクル〉
4. 熱回収〈サーマルリサイクル〉
5. 適正処分
◆ワンウェイ容器の利用を助長した容リ法
個別法の中身を見ていきますと、例えば、1997年施行された容器包装リサイクル法の場合、消費者・自治体・企業、三者の役割分担と言いいますが、実際には自治体の責務が大きく、市民から容器包装ごみを回収し、選別・プレスし、10トン程度集まるまで保管しなければなりません。自治体の負担はとても大きいのに、もし、再生事業者が自治体から資源化物を引き取る際、有償で引き取るようであれば、容器包装の製造事業者・利用事業者(飲料、菓子、化粧品などのメーカー)の再商品化義務は発生しません。
つまり、アルミ缶、スチール缶、牛乳パックなどはどれだけ利用しても、それらの容器を作り、また商品に用いる事業者に再商品化義務が発生しません。ペットボトルやワンウェイのガラス容器などは再商品化義務が発生しますが、その負担はボトル1本あたりに換算すると、1円や2円程度にしかなりません。逆に自主回収は90%の実績がないと、再商品化義務を免除されず、ワンウェイ容器を使った商品を抑制するどころか、むしろリユース容器を社会から駆逐してしまっています。
《表》(財)日本容器包装リサイクル協会への委託費用
委託費用を容器1本当たりに換算すると…(平成17年度)
| 無色ガラス |
内容量 300ml |
ビン重量 280g |
0.73円 |
| その他ガラス |
内容量 300ml |
ビン重量 280g |
1.79円 |
| ペットボトル(大) |
内容量 1.5リットル |
ボトル重量 60g |
1.87円 |
| ペットボトル(小) |
内容量 500ml |
ボトル重量 15g |
0.47円 |
| 一升びん |
内容量 1.8リットル |
ビン重量 950g |
2.47円 |
| (↑ワンウェイで使われた場合) |
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◆ワンウェイ容器が隆盛
1982年缶飲料の消費量が100億本を越え(標準缶換算)、この当時からリサイクルが盛んになりましたが、消費量も増え、1996年には384億本まで達します。1996年以降、缶は減少しますが、かわって小型ペットボトルが急増。使い捨て飲料容器は増加の一途をたどっています。
◆リユース容器の減少
リユース容器として国内ではビールががんばっているぐらいになり、他はほとんどなくなってしまいました。そのビールも1992年は53%がリユース容器で供給されていましたが、2000年には26%に低下。短期間に急落しています。
◆缶飲料西欧との比較
2002年の日本一国の缶飲料消費量は、約350億本。西欧19カ国(トルコを含む、人口は日本の3〜4倍)の缶飲料消費量は約300億本。海外と比較すると、日本の使い捨て容器包装が如何に多いかわかります。
◆日欧・使い捨てプラスチック比較
トレイ、ラップ、レジ袋などの使い捨て容器や包装を独英と比較しても、やはり日本の暮らしの中で、多くの使い捨て容器包装が使われていることがよくわかります。
これらを見ていくと、日本では1995年容器包装リサイクル法が制定され、2000年に循環型社会形成促進基本法が制定されましたが、社会が向かっているのは、大量消費はむしろ拡大し、大量リサイクルでそれを補完する、そのような社会に思えます。
◆ドイツDSD社資料から〈1994年ボン本社取材〉
「モノづくりの優先順位が必要では」という話をしましたが、その例を紹介させてもらいます。写真は、今から10年以上前になりますが、ドイツ・ボン市にあるDSD社(デュアル・システム・ドイチュラント社)の本社を訪問した時に得た資料です。
左は1990年「包装廃棄物政令」施行前から使われていたプラスチック製ボトルです。複合素材を用い、DSD社へのリサイクル委託金は一本あたり27円でした。それでは負担が大きすぎるのでこのメーカーも工夫しました。右は、容器を単一素材に転換し、中身の濃縮で容量縮小、印刷もボトル直接ではなく、周囲に紙を巻きそこに印刷し、その紙もはずしやすくするなど工夫した結果、リサイクル委託金を一本あたり8円にまで減らした新ボトルです。他にもさまざまな削減の事例の紹介をうけました。リサイクル委託金を高くすることで、ドイツの企業に容器包装削減に本気で努力させ、むしろリユースの方が有利な状況をつくりだすとともに、エコデザインという新しい産業をつくりだしたのです。
ここで、DSD社の広報担当者にいじわるな質問をしました。「こうやってドイツの容器包装が減ったり、リユースが盛んになると、DSD社に入るリサイクル委託金が減りますよね」と。すると「それがこの会社が設立された目的(ミッション)ですから、それに沿って削減を進めていきます」という返事が返ってきました。
◆「循環型社会のイメージ」を実現したい
この発表の冒頭述べました「循環型社会形成推進基本計画」第2章に描かれた「循環型社会のイメージ」を、ぜひとも実現したいのです。夢物語ではなく、本当に実現しましょう。それを実現するには社会の大転換が必要です。
◆NPOの役割はもっと高まる
「循環型社会のイメージ」を実現するためには大転換が必要、と言いましたが、そのためには、市民セクターの協力が不可欠で、広範な市民の理解を得るためには、NGOの協力・協働が必要です。冒頭、環境市民の活動紹介の中で「環境首都コンテスト」や「グリーンコンシューマーガイド」などを紹介しました。環境NGOの活動・能力もこの数年間に格段に向上しています。「循環型社会のイメージ」を実現するため、NGO/NPOの役割を高く評価していただきたいと思います。
以上 質議(略)
(問合せ)環境市民京都事務局までお問い合わせください。
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