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安倍首相の「美しい星50」で例示された「こまめ暮らし」は、個人の行動として大切なことですが、個々の実践に期待するだけでは決して将来ビジョンへの到達も京都議定書の達成もできません。必要なのは、環境に配慮した生活や事業活動が当たり前になるための制度構築です。その制度構築に向けて何が必要か、「こまめ暮らし」を「社会の課題」に置き換えてみると見えてきます。
(文
/事務局長 堀 孝弘)
●エコ製品への買い替えをすすめましょう
これを「社会の課題」に 置き換えると…
→「多くの人がエコ製品を選ぶようになる仕組みをつくろう」
購入・買い替えの際、環境にも配慮して製品を選ぶことを「グリーン購入」と言います。家電製品や自動車など、製品によって消費電力や燃費に大きな差があります。製造時や廃棄時のエネルギー消費より、使用時のエネルギー消費の方が圧倒的に大きいことを考えると、消費電力や燃費効率のよいエコ製品の選択は、とても有効なCO2削減策となります。しかし、概して省エネ性能が優れた製品は価格が高く、それが普及のネックになっています。そのため「呼びかけ」だけではエコ製品は普及し
ません。
そこで環境税など、エコ製品が購入しやすくなる仕組みが必要です。環境税については誤解もあるようですが、海外で施行されている環境税の多くは、製品・サービスの環境負荷の大きさに応じて課税されています。例えば、電化製品であれば、省エネ性能が優れた製品は税率が低く(または非課税に)、逆に省エネ性能がよくない製品の税率を高くするなど、エコ製品や環境技術が社会に広まり易くする手段として活用されています。このような仕組みを採りいれることで、メーカーの省エネ技術の開発努力も利益に結びつきやすくなりますし、海外製品に対する競争力も高くなります。
□地域の市民、事業者、行政の協働活動が、全国に波及、 国の制度にも影響を与えた「省エネラベル」
2006 年10 月、経済産業省は家電製品の省エネ性能表示ラベルを定め施行しました。この原型は2002 年度以降、東京や京都で、市民団体、行政、事業者の協働のもと考案し、店頭での効果測定などを経て、各地の市民団体や行政、事業者の協力のもと全国に普及した「省エネラベル」です。
□環境市民では、「環境税」の効果や課題について、「みどりのニュースレター2006 年12 月号」で特集しています。
●シャワーの時間を1 日1 分減らしましょう
これを「社会の課題」に置き換えると…
→「自然エネルギーの活用や熱利用の効率化を進めましょう」
「シャワーの出しっ放しを1 分減らせば、1 日74 グラムのCO2 排出量が減る」ということですが、そもそも出しっ放しをしていない人には関係のない話!
自然エネルギーの活用といっても、太陽光発電のような高価なものでなく、太陽熱温水器のような廉価な既存技術で、家庭のエネルギー消費を大きく下げることができます。また、燃料電池やガスによるコージェネレーション発電も、熱利用効率を大きく高めます。これらを一般家庭に普及することによって、シャワーの時間を減らさなくても、CO2
排出量を大幅に減らすことができます。
現状、これらの技術は、私たちの社会に「点」のようにしか普及していません。これを面的に広めることが重要です。そのため、先にあげた環境税(炭素税)の創設など、社会の仕組みを変えていくことが必要です。
□自然エネルギーを市民の力で普及する「グリーンファンド」
市民の力で地域から自然エネルギーを普及させていく活動があります。例えば、きょうとグリーンファンドが進めている「市民参加 おひさま発電所設置事業」や、北海道グリーンファンドなどの市民風車事業があります。
NPO 法人 きょうとグリーンファンド
http://www.h3.dion.ne.jp/~kyoto-gf/
NPO 法人 北海道グリーンファンド
http://www.h-greenfund.jp/
●マイバッグを持ち歩き、過剰包装を断わりましょう
これを「社会の課題」に置き換えると…
→「レジ袋有料化の法制化を進めよう」
現在、一部の地域で地元行政や市民団体と協定などを締結して、自主的にレジ袋の有料化を採りいれるスーパー等があらわれてきました。とても意義深い活動で、「レジ袋はタダではない」という認識を社会に広めることにつながるでしょう。ただし、自主的な活動では事業者やそれを支援する市民団体の負担も大きく、やがて限界もきます。マイバッグ持参でレジ袋を減らさないと温室効果ガス削減目標が達成できないのなら、「呼びかけ」ではなく法による社会のルールとするべきです。京都で
のイオンやイズミヤをはじめとした「レジ袋有料化(削減)協定」にも参加しています。
□「レジ袋有料化」については、「みどりのニュースレター2007 年6月号」で特集しています。
●ごみの分別を徹底して、リサイクルをすすめましょう
これを「社会の課題」に置き換えると…
→「使い捨て容器包装を抑制し、リユース容器に転換できる制度づくりを進めよう」
ごみの分別を徹底し、廃プラスチックをリサイクルして焼却量を減らすと1 日52g のCO2 削減になるとのことです。ただし、ごみ処理の優先順位として、国は法律で「発生抑制」や「再使用(リユース=何度も使う)」をリサイクルより高く位置づけています※。しかし、缶やペットボトル、その他プラスチックなど、使い捨て容器包装は増えるにまかされている状態で、分別回収とリサイクルによる自治体負担は年々大きくなっています。一方、温暖化対策を精力的に進めているドイツには、清涼飲料やビールのリユース容器使用率が72%
を下回らないよう求める規定があります。「増えるにまかせてリサイクル!」では、温暖化効果ガスの削減につながりません。
※循環型社会形成促進基本法2000 年制定
□「容器包装リサイクル法」の問題点については、「みどりのニュースレター2006 年9 月号、10
月号」で特集しています。
□環境市民では「びんビールでいこうキャンペーン」を実施しています。
洗って何度も使うリユースびんは、ごみ減量や地球温暖化防止に効果のあるものですが、リユースびんの多くが姿を消しました。そのなかで数少ない存在になったビールびんを、なんとかもり立て、リユースが当たり前の社会にすることを目的に実施するものです。
また、今年9 月以降、京都市内で連続セミナー「CO2マイナス60をめざして 地球温暖化を防ぐ5 つの行動」を開催します。9 月2
日には、その第1 回として「地球温暖化を防ぐグリーンコンシューマー リサイクルよりリユース」を実施します。
環境市民では提案・提言だけやなく、地域での実践活動にも力を入れています。その成果は「みどりのニュースレター」などで社会発信しています。
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