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環境市民の「企業グリーン化構想」
   
   

持続可能な社会の実現を目指して

環境市民の「企業グリーン化構想」

〜 CSRへのアプローチから 〜

環境市民 みどりのニュースレター 2005年4月号より

文:上田 正幸(環境市民理事)

1 CSRとは何か

 CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)という言葉が使われて数年になるが、このCSRという考え方はそう新しいものではない。1950〜60年に企業が起こした公害や、1970年代のオイルショックでの企業の買い占めや売り惜しみに対して「企業の社会的責任」論があった。 しかし、21世紀に入ってのCSRはこのような公害や倫理違反を契機とはしているが、もう少し積極的に社会や環境に対峙しようとしている。とはいえ、日本ではヨーロッパやアメリカから輸入された現代版のCSRは理論先行で、まだ実体は伴っていないように思える。先進企業で「CSR推進室」という部署がつくられ、「CSR報告書」が発行されつつあるが、現場ではまだ模索状態である。
 CSRは簡潔にいうと「経済」「環境」「社会」でのトリプルボトムラインのバランスをとりながら企業経営をしていくものである。当然、「経済」への取り組みは企業にとっての本業であり、社会に適応することによって利益を出し、雇用や税金で社会を支えている。利益が出ないと、最後には社会に迷惑をかけて倒産する。「環境」への取り組みについては10年前にくらべると想像を絶するほど進化した。当時は環境の部署ができても定年前の社員の職場であったが、現在は、若く有能な人材を当てていることの意味は大きい。特に大きな企業は、原材料の調達から通常業務で使用する文具に至るまでのグリーン購入への取り組みや、化学物質、廃棄物対策、グリーンコンシューマーの広がり、そして、国際化の問題など、「環境」を無視しては生き残れない時代になっている。しかし、この10年はISO14001のマネジメントシステムに依存してきたため、目的がISO14001にすり替わっているきらいがあり、もう一度環境の本質にブレークスルーする必要がある。
 最後の「社会」への取り組みはこれからの課題であろうし、越えるべきハードルが多い。従来の寄付や、周辺の清掃ボランティア活動や、スポーツや音楽等へのスポンサーだけではない。情報の公開やジェンダーバランス、人権、ステークホルダー(利害関係者)との協調、海外生産時の地域とのかかわり等、これまでのどちらかといえば金さえ出せばよいというものではなく、企業としての質と行動が問われるものである。

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