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環境市民ライブラリ「循環社会基本法」の問題  
 
「循環社会基本法」の問題
   
   

文:堀 孝弘

11 ドイツのがんばりと失敗

 ドイツのやり方で見習うべき点はいくつもありますが、今紹介したような、環境負荷の小さい製品を作り売った企業や、それを買った消費者が得をする仕組みづくりは重要なポイントだと思います。
 ドイツは、こういった原則を容器包装材からはじめて、自動車、バッテリー、家電製品などにも広げていこうとしています。自動車で言えば、販売店とほぼ同数の廃車回収箇所を展開しないとドイツ国内で自動車を売ることを事実上できなくしています。そのためダイムラーベンツやBMW、VW、オペルなど現地の有力企業は、外国の自動車メーカーに対して優位を保つことができます。日本の自動車メーカーは、それら現地の有力企業に助けてもらう必要に迫られています。
 一方、ドイツの自動車メーカーもそのような状況に満足してあぐらをかくのではなく、解体・リサイクルし易いよう、製品づくりのあり方を根本から変えようとしています。例えばBMW社は、熟練した作業員でなくても20分もあれば1台の自動車を解体でき、かつ素材を分別できるよう材質表示をわかりやすくするなど、環境に配慮した自動車づくりをすすめています。
 このように世界に先行してがんばってきたドイツですが、トップランナーゆえの苦い失敗もありました。当初ドイツでは、容器包装のリサイクルに関して、焼却して熱回収する「サーマルリサイクル」は、「リサイクル」に含めませんでした。そのためもあって、大量に回収されたプラスチック製の容器包装など、リサイクルが追い付かなくなり、一部の業者によって「資源」と称して発展途上国に“輸出”され、現地で投棄されるという事態が発生し、内外から「ドイツは立場の弱い国・地域にごみを輸出している」という批判にさらされました。
 日本ではむしろこういった“影”の部分が強調して報じられてきたように思います。いわく「リサイクルをがんばり過ぎるからだ??」「事業者に回収責任を負わすからだ??」「焼却を認めないから失敗したのだ??」等々。

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