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環境市民ライブラリ「循環社会基本法」の問題  
 
「循環社会基本法」の問題
   
   

文:堀 孝弘

6 リユースとリサイクルの負担の違い

 リユースとリサイクルの違いは、回収した容器の使われ方だけでなく、誰が処理費用を負担するかという問題もあります。
 再使用されるビンビールは使用後のビンの回収・洗浄費などもすべて商品価格に含まれています。つまりそれを飲む人が飲んだ本数に応じて負担しているわけです。
 しかし、缶ビールには商品価格にリサイクル費用は含まれていません。使用後の空き缶の大部分は自治体が回収してリサイクルします。つまり税金でリサイクルされているわけで、缶ビールのリサイクル費用は、ビンビールを飲んでいる人も、ビールなど一切飲んでいない人も負担しなければなりません。缶ビールを飲む人の中でも、3日に1本飲む人と1日に3本利用する人ではその差は9倍にもなります。利用の頻度に関係なく、税金で等しくリサイクル費用を負担しなければならないのは、社会的な不公平であります。もちろんこれは缶ビールに限ったことではなく、中身が清涼飲料であっても、容器がペットボトルであっても、自治体が回収しているワンウェイ容器のリサイクルに共通した問題です。
 もうひとつ値段の違いにも注目して下さい。ビールのようにある程度以上の量の容器が回収・再使用された場合、製品を作るごとに新容器を購入しなければならないワンウェイ容器入り商品に比べ、価格を安く設定できます。定価での比較ですが、表-3をご覧いただくと、缶ビールは前述のようにリサイクル費用が含まれていないのに、ビンビールよりも高いことがおわかりいただけると思います。と言うことは、他の商品でも容器のリユースが進むと、消費者はもっと安く商品を購入できるようになる可能性があります。
 よく飲料業界の人たちから、「リユースは大変な手間がかかるが、ワンウェイ容器は手間がかからない」という声が聞かれますが、ワンウェイ容器を回収して処理する手間を自治体にまわしているのであって、「手間が発生しない」のではありません。現状、売った後の手間や負担がメーカーや販売店にかからないことも、ワンウェイ容器増加の大きな要因のひとつです。

図1
 図-1. リユースとリサイクル回収ルートと負担の違い

図2
 図-2. 缶飲料消費量の伸び

図3
 図-3. ペットボトル消費量の伸び

量 目
ビン(リユース)
缶(ワンウェイ)
500cc
272円
286円
330cc,350cc
195円
220円

 表-3. ビールの価格比較

コラム

 表-4に、主なワンウェイ容器のおよその値段を示します。また、熊本市の「四葉の会」というグループの調査(96年)では、大人2人子ども2人の標準的な4人家族に、1週間ごく普通の生活をしてもらったところ、その間に購入した商品の容器包装を合計したら3千円ほどになったそうです。中身を買っているはずなのに、商品を包む容器や包装(外身)にこれほど多くのお金をかけていたなんて…。

容器・包装
量目・仕様
およその価格
缶(アルミ・スチール)
350cc
20円
ペットボトル
1.5〜2P
60〜70円
食品トレイ(PSP)
12×20cm
5〜25円
カップ容器(EPS)
めん・どんぶり型
30円

 表-4. 主なワンウェイ容器のおよその値段

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