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環境市民ライブラリ「循環社会基本法」の問題  
 
「循環社会基本法」の問題
   
   

文:堀 孝弘

8 ドイツでは……、モノづくりにも優先順位

 前項までの説明で、リユースとリサイクルについて理解していただいたと思います。以降、「処理に優先順位」についての背景と、日本の「循環型社会基本法」の問題について考えていきます。
 まず、この「処理に優先順位をつける」という考えを制度化するさきがけとなったのは、1986年8月制定されたドイツの「廃棄物の回避・管理法」です。
 この法律は、ごみ処理の優先順位として、まず、ごみになるものを発生させない(発生抑制)ことが一番に優先されるべきであるとしています。包装材にしても有害な化学物質にしても、回収してリサイクルや適正処理をするより、極力使用量を減らす、または使わなくてすむものは使用を取り止めることが、環境負荷を小さくする上で一番に大切なのはどなたでもご理解いただけると思います。
 その「発生抑制」には、使用の取り止めの他、再使用があります。飲料のように何らかの容器が必要なものについては、回収し再使用することでごみの発生を抑制することができます。これも飲料容器で例えると、ドイツの場合、ビール・清涼飲料の72%は再使用できる容器で販売するよう業界を指導しています。ですからペットボトルもつぶし溶かして再生利用するのではなく、回収・洗浄して再使用しています(ワンウェイ・ペットボトルもありますが?)。ドイツやヨーロッパの再使用型ペットボトルは20回以上も使うそうで、そのため日本のペットボトルと違って頑丈にできています。ちなみに日本のペットボトルやワンウェイビンは、それぞれ肉厚が薄く再使用に耐えるものではありません。
 そしてようやく3番目に優先すべきこととして、資源としての再生利用(リサイクル)をあげています。時々日本では、リサイクルをしたから「ごみが発生しなくなった」または「ごみが減った」と考える人もいますが、ドイツでは、缶などのようにつぶし溶かしてリサイクルするものも「利用廃棄物」と位置付け、「処分廃棄物」とともに「発生抑制」の対象にしています*3。つまり焼却場や埋め立て地に行ってはじめてごみになるのではなく、家庭から排出された時点ですでにごみであり、缶やペットボトル、トレイやその他の包装容器など、リサイクルする対象そのものを減らしていくべきという考え方です。

 *3.「利用廃棄物」「処分廃棄物」という考え方は、10年後に改定された「循環経済・廃棄物法」から

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