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5つのミッション環境市民のまちづくりV 日本の環境首都コンテスト第4回コンテストより  
     
   
 
表彰式の模様
   
   

水俣にて 〜第4回コンテスト第1位水俣市の表彰式に出席して〜

 出来たてほやほやの九州新幹線で新水俣の駅についた。まわりに大きな建物も見えず、有明海も視界には入ってこなかったので、ごく普通の田舎の土地のように思えた。
 今回はコンテスト第1位の表彰のために、ここ水俣を訪れている。その表彰式の会場となったのが冠婚葬祭、すべて一つでまかなえるような場所であった。行政が新しく、仰々しい建物を持っていないという事実は、水俣市の健全さと人口三万人という規模の小ささを無言で私たちに教えてくれた。
 コンテスト会場に入り、表彰式のための準備を進めていくと、否が応でも気持ちが盛り上がってくる。式の流れを確認したり、マイクの受け渡し役を確認したりと、細かい打ち合わせをしていると、中学校時代に生徒会で様々な行事を取り仕切っていたことを思い出した。水俣市の職員の方々も何名か駆けつけてくれ、準備を手伝ってくれているが、その顔は満足そうだったのが印象に残っている。

 式が始まるまでに、行政の職員、市議会議員、また市民の方々が続々と会場に詰め掛け、用意した椅子がほとんど埋まるほどである。TVカメラやデジカメを携えたマスコミの人の姿を目にすると、このコンテストの社会的な影響力がある程度の大きさを持ってきたこと、そしてもっとこの影響力をうまく使っていかなければならないという気持ちを再確認させられた。
 実際に式が始まり、水俣市長にネットワークの代表から、総合第1位をはじめ様々な表彰状が手渡された。総合第1位はもちろんのこと、二つの表彰対象になった先進事例は、水俣の行政がいま地元にあるパワーをうまく引き出そうとした事例であり、ネットワーク内でもかなりの高評価を得ていた。
 ネットワーク代表のお祝いの言葉の中には水俣の総合力の向上やその取組みのユニークさ、そして今回のコンテストでの得点が前回より飛躍的に伸びたことなどが詰め込まれ、水俣に関する賛辞は惜しまれることはなかった。ただその中には、まだネットワーク側の提示する「環境首都」の称号に値する条件、点数には届いていないため、是非とも今後も施策を推し進め、日本で初の環境首都に是非なっていただきたいとの叱咤激励も含まれていた。

 マイクが水俣市長に手渡された。環境課の職員に対するお礼の言葉があったが、これは後々担当の方のお話を聞くと、市長から直接の要望が一番多かったのが環境課であり、その担当の方はかなり苦労したとのこと。市長も自分の要求がかなり厳しいものであったことを認識しているが故に、この表彰式という「一つの成果」の場でそういった言葉が自然と出てきたのであろう。
 そして、自分たちがかつての水俣病の遺産を克服し、それをいい意味で生かそうと努力してきたことが「コンテスト1位」という結果で報われたことがきっかけとなり、今までの苦労が思い出されたのか、マイクを持ち、演台に上がりながらも市長さんが感極まり、涙を流した。その感動は「コンテスト」という場を提供してきたネットワーク側にも伝わり、会場全体がなんともいえない「じわっ」とした空気に包まれたのを鮮明に覚えている。
 そしてその時、自分は生まれて初めて“政治家”という職業についている人をかっこいいと思った。自分が地域を変えようとしてリーダーシップをとってきて、その成果が現れたときに、多くの人の前で涙を流して喜べるその誠実さと、地域を思う気持ちに心を打たれたのだ。そして自分が関わってきた「環境首都コンテスト」が、実際の地域で政治家として、そして行政マンとして働いている人たちにここまで影響力を与えるものであったということを再認識し、自分の活動に対する誇りと自信を与えてくれたように思う。

 この場面が今回の授賞式のクライマックスであったように思う。その後、市長を囲みネットワークのメンバーと水俣市の職員の方で記念撮影となったわけだが、そのスピーチと誠実さで高感度を一気にあげた若い市長は、輪の中心で爽やかな笑顔をたたえていた。
 翌日は、水俣市の頭石(かぐめいし)という山間部にお邪魔し、水俣の美しい農村と地元で採れたものだけで作ったお弁当や魚をいただいた。その地域の人々は「お客さん」としてやってきた私たちを、暖かい笑顔と包容力で迎えてくれ、そしてその地域の雰囲気を満喫させてくれた。ここでも水俣の良さを発見してしまった。
 この授賞式に参加し、考えたことがいくつかある。

  • 自治体が目指すべき方向性に動いていくためには、そのヴィジョンを提示してくれる首長と、その首長に賛同し率先して行動していく職員の存在が不可欠である
  • 過去の失敗を「負の遺産」として片付けてしまうのではなく、そこから教訓や経験を引き出すことが大切である
  • 政治家とはかっこいい職業である

 以上、三つを自分の今後、そしてコンテストの今後に生かしていければと思う。実に実りの多い授賞式であった。さて、来年はどこへ赴くことになるのであろうか? 今から楽しみにしている。

(文責;環境市民・涌井健策)

上へ:第4回コンテストより


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