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5つのミッション環境市民のまちづくりV 日本の環境首都コンテスト第4回コンテストより  
 
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環境NGOの視点より 〜 第4回環境首都コンテストを終えて
   
   

■市町村合併と自治体の環境政策
■がんばれ、小さな自治体!
■コンテスト全4回参加自治体にききました!


■市町村合併と自治体の環境政策

 今回の環境首都コンテストは「平成の大合併」と言われる市町村合併の影響をさまざまな形で受けることとなりました。その中には、合併後の環境政策への影響を懸念させるものもありました。
 今回のコンテストがまずはじめに受けた影響は、自治体の参加辞退でした。公募開始の際には過去参加自治体に必ず呼びかけることになっていますが、今回は「合併を控えており、回答している時間がない」として辞退した自治体が相次ぎ、参加数は前回を下回って80自治体を切ることになってしまいました。
 また、今回は参加したけれども、合併後はどうなるかわからないという自治体もあります。実際、合併を控えた自治体からは「合併相手の自治体に環境基本計画がなく、合併後にどうするか調整が難航している」、「合併後は環境政策の一部を見直し、場合によっては参加をとりやめることになるかもしれない」などの話を聞きました。
 東北地方のある町は人口約1万人。子どもたちへの環境教育に熱心な町で、今回のヒアリング調査でも地元の人たちや他校との交流など、お互いに顔の見える小さな町ならではの、先進的な取り組みを伺うことができました。ところが調査翌日の地元新聞に、この町が周囲の自治体と合併し、人口10万人規模の「新市」が誕生するという記事が出ていました。10万人のなかでの1万人は埋没する危険性があります。面積的にも何倍もの広さになります。合併自治体中、最も人口規模の大きいところが新しい市のリーダーシップをとり、この町役場は支庁になるわけですが、そのときにこの町の先進的な環境教育政策はどうなるのでしょう。「新市」に引き継がれるのでしょうか。
 すでに合併をすませた他の自治体職員からは「財政も権限も本庁にとられて何もできない」という声も聞こえてきています。「平成の大合併」は合理化が優先されるあまり、個々の自治体の特色ある政策を切り捨てているのではないでしょうか。市町村合併によって自治体の環境政策を後戻りさせてはなりません。合併後は、合併前に各々の自治体が実施していた、優れた環境政策、住民参画手法を持ち寄り、より優れた自治体へとステップアップしてもらいたいと切に願います。(環境市民 山田 岳)

■がんばれ、小さな自治体!

 今回の環境首都コンテストでは、順位や得点とは別に、人口規模の小さな自治体のがんばりが印象に残りました。「がんばり」といってもムリをしているのではなく、住民と行政との顔の見える関係から生まれた活動や、小さな自治体ならではの取り組みといったものです。そのいくつかを紹介します。
 ニセコ町では、ヒアリング調査で「町内で環境活動をされている方のリストはありますか」と尋ねたところ、「どこで誰が何をされているのか、全部わかっていますから、わざわざリストにする必要はありません」という答えが返ってきました。まさに人口規模4,000人の自治体ならではのことでしょう。今回先進事例特別表彰事例である「住民主体のワーキンググループによる環境基本計画の進行管理」も、委員を「住民から公募した」というよりは「声をかけたら応えてくれる人が何人も出てきた」という印象を受けました。
 二ツ井町は、町長の「山は国の宝。山が廃れれば国が滅ぶ」という言葉を環境施策の根本哲学としています。町発行の環境関係の冊子には、必ずと言っていいほどこの言葉が記されていました。町職員にする環境教育も徹底していて、将来町長が交代しても町職員の環境意識は後退しないだろうと言われています。町庁舎も旧庁舎の木材を再利用し、かつ地場産の木材をふんだんに使用。でも、どこか新しさを感じさせるユニークな設計です。1階ロビーには子どもたちの環境学習の成果がはりだされていましたが、その内容はかなりレベルが高く、目を見はりました。
 東和町では、今回先進事例となった環境教育について、小学校や保育所の先生たちから話を伺いました。町の施策と先生方の自主性がうまくマッチし、実にスムーズに環境学習や交流会行事が進められていました。
 上勝町は、夏に私たちネットワークのメンバーが伺ったときの話です。夜の暗闇のなかで、山道を歩く人の影が見えました。誰かと思えば、ボランティア団体「利再来る(リサイクル)上勝」のNさん。国道の脇に植えられている草花に水やりをしていたのです。この草花は、住民が自分たちで植えたものです。上勝町では町民総出で国道沿いをきれいにしたり、町のごみゼロ事業を成功させるために、隣近所のごみをリサイクルセンターにもって行ったり、自分たちでできることは自発的に実践されています。「上勝町は600人のボランティアがいる。おそらく、住民の割合では日本一ではないか」と、町長。ここでも行政から住民の顔が見え、住民からも町役場の職員の顔が見えています。これが「ごみゼロの町」を町民あげてすすめていく原動力なのかもしれません。
 藤島町を訪問したときのことです。担当者の方がヒアリングの途中にポツンと一言、「十分な対応ができず,コンテストも途中で本当は何度も辞めようと思ったんですよ」。この言葉の裏にあるのは、十分な資金、労力を確保することができないという、小さな自治体の苦悩であるかもしれません。しかし、同時にこのような言葉をいただきました。「お金はかけることはできないが,工夫することはいくらでもできる」。そう、お金をかけずしてもできることはたくさんあるのです。藤島町のような小さな自治体だからこそ創り上げることができたネットワークがあるのです。それを基盤として、現在町では様々な施策が展開されています。
 小さい自治体には,小さいからこそ築きあげることができたネットワークがあります。小さいからこそつくることができた関係があります。資源があります。ここで紹介させていただいたいくつかの自治体は,このような自分たちの強みを理解し、活かし、発展段階にある自治体といえるのではないでしょうか。全国の小さな自治体のみなさま、自分たちの地域をよりよくしていくための要素は、身近な生活空間の中に転がっているのかもしれません。
 最後になりましたが、小さな自治体のみなさま、私たちも応援しています。小さくても人も自然もにいきいきと暮らしていける持続可能なまちをともにつくっていきましょう!(環境市民 山田 岳、長野 友希)

■コンテスト全4回参加自治体にききました!

 第1回から今回の第4回までのコンテストに全て参加している自治体が29あります。主催者の我々としては、質問内容を毎回見直し、その内容を発展させていくよう努力していますので、参加自治体には継続して参加することを呼びかけています。そんな中、4回連続して参加いただいている自治体のご努力は、私たちにとっても本当に励みになっております。今回、全4回参加いただいた自治体の担当者の方にインタビューしてみました。その結果をお知らせします。
(インタビュー先:横須賀市、府中町、新城市、飯田市、福知山市、八幡市、尼崎市、長岡京市、東和町、本渡市、板橋区)

※時間の都合上、すべての自治体にインタビューすることができなかったことをご了承ください。

(1)毎年参加される動機・目的は?

 「主催者の提唱する趣旨に賛同した」、「自分たちの事業の評価を客観的な立場から受けられる」、「首長の強い意向」などが目立ちました。その他にも「環境基本計画に環境首都コンテストを指標・目的として謳っているため」という回答もあり、継続参加の自治体は積極的な目的を持って参加されていることと同時に、本コンテストを高く評価いただいていることがわかりました。
 また「継続して参加しているので回答作業にも慣れてきて、手間や時間が以前ほどかからなくなった」という心強い回答もありました。さらに「コンテストに参加することによって他の自治体の政策に関する有効な情報が入ってくるため」といった自治体間の横のつながりを重視した回答もあり、このような回答を通し、私たちネットワークが意図していることに自治体も呼応されていることが明らかになったことは私たちにとっても大きな励みとなりました。

(2)その参加目的は達成されましたか?

 「結果をもっと多くの市民や他の自治体にアピールしていきたい」、「施策の弱点が判明したのでそれを活かして今後の方針を立てていきたい」などの回答が複数あり、単に順位・結果に満足するというよりも、コンテストの結果を参加自治体自身がどういう形で活かしていくか、という点に関心が集まっているようです。また「自治体の施策について、第三者的な立場から経年での評価を得ること自体が目標となっている」との回答もありました。これは真に有効な施策の展開は1年という短い期間では実現できない、という私たちの思いとも一致しており、自治体からもこのような意見が寄せられるのは嬉しいことでした。

(3)今後の継続参加の意思は?

 私たちからするとたいへん気になるところですが、ほとんどの自治体が前向きな回答をしていただいており安心しましたが、合併の影響や首長の交代などの要因などの不確定要素を抱えている自治体もあり、参加の呼びかけをさらに積極的に行っております。

(4)私たちへの希望・注文は?

 「資料を収集するのが手間である」といった意見も寄せられていました。客観的かつ公正な評価をするには、回答の裏付けとなる資料の提出はぜひ必要なのですが、参加いただける自治体にとっても、私たちネットワークにとっても、できるだけ効率的なシステムの構築を図っていきたいと考えています。コンテストの運営についてご提案等がありましたら、お気軽に担当団体の方までご連絡ください。(環境市民 涌井 健策)

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