報告:おいしいコーヒーの経済論「キリマンジャロ」の苦い現実 7/2 | 認定NPO法人 環境市民

報告:おいしいコーヒーの経済論「キリマンジャロ」の苦い現実 7/2

ラジオ「環境市民のエコまちライフ」では、番組に出演してくださったゲストのお話を直接聞いていただける場を持とうと、セミナーも開催しています。
2010年7月2日(金)、カフェ「かぜのね」(京都市左京区)にて、「おいしいコーヒーの経済論『キリマンジャロ』の苦い現実」と題して、京都大学大学院農学研究科准教授の辻村英之さんよりお話を伺いました。

おいしいコーヒー苦い現実

2010年7月14日

環境市民ラジオチームは、毎週月曜日の午後1時から京都三条ラジオカフェ(FM79.7MHz)から15分間、「環境市民のエコまちライフ」という番組を放送しています。
環境情報を市民目線で分かりやすくと、ボランティアが企画・制作に関わりはじめて今年で7年目になりました。番組に出演してくださったゲストのお話を直接聞いていただける場を持とうと、セミナーも開催しています。

今回は、7月2日(金)に、カフェ「かぜのね」(京都市左京区)にて、「おいしいコーヒーの経済論『キリマンジャロ』の苦い現実」と題して、京都大学大学院農学研究科准教授の辻村
英之さん(写真右)よりお話を伺いました。

舞台はアフリカ・タンザニアのルカニ村。「キリマンジャロ」コーヒーの産地です。日本で1杯450円のコーヒーに対し、生産者の取り分はたった2円という非情。背景には「キリマンジャロ」を含むアラビカ種のコーヒー価格は、最大生産国ブラジルの作柄を基に、ニューヨーク商品取引所で決まり、ブラジルのコーヒーが豊作になれば価格は暴落するという現実があります。追い詰められる村人たち。コーヒーの木は切られトウモロコシ畑になり、コーヒーの代わりに木を売り始めた結果、森林破壊を招きました。

価格を違う方法で決めたい。その一つがフェアトレードだと辻村さんは語ります。

フェアトレードには二つの国際的な基準があります。一つ目は生産者に一定の利益が残る水準の輸出価格を保証すること。二つ目は、販売利益の一部を生産地に還元し、社会開発事業(教育や医療施設)に使うことです。フェアトレードによって、生産者の生活が守られ、品質の向上や環境に配慮した生産が可能となります。

フェアトレード・コーヒーで目覚めの一杯を。大切な人への贈り物にフェアトレード・チョコレートを。お話を伺い、まずは周りの人にフェアトレードのことを伝えようと思いました。 (文/十亀 真利子)

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