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報告:環境や人を大切にする小規模家族経営


 2015年7月14日

日本をはじめ多くの先進国が大規模農業を推進している一方で、今、世界的には小規模・伝統的・家族経営農業が注目されています。
7月11日(土)、京エコロジーセンター(京都市内伏見区)にて、京都大学准教授の辻村英之先生にタンザニアのルカニ村のフェアトレードプロジェクトを例にその理由を教えていただきました。
 
2014年、国連は「国際家族農業年」と位置づけ、小規模家族農業がなぜ優れているのか研究報告書を作成しました。その優位性とは、①利益が家族を養うために使われるため働く人のやる気が高くなること、②生産されたものは家庭内で消費されるため、生産が増えれば家庭内の消費水準が上がること、③家族や親戚、地縁関係者などがお互いに助け合う仕組みがしっかりしていること、④家族の自給が基本なので不安定な市場の変化から守られやすいこと、⑤地元の文化や社会的なしきたり、生態系などを熟知した上で農業に取り組めることなどがあげられます。
 
これらの要素が全てそろっているのがルカニ村。日本で人気の高いキリマンジャロコーヒーの産地です。村人はコーヒーの収益を子どもたちの教育や医療に使っていましたが、2001〜2002年、取引価格が市場最安値となった「コーヒー危機」以降、コーヒーを諦めてトウモロコシ畑にしてしまったり、木を過剰に切ってしまったり、町へ出てしまう若者が増えました。休学せざるを得ない中学生もいたそうです。
ルカニ村は、もともと家族経営の小規模畑が多く、豆やコーヒー、バナナや果物、木を混合で植え、農業と林業が一体となったような「アグロフォレストリー」を行なってきました。写真を見ると畑というよりまるでジャングルのようですが、一つがダメでも他の作物で収入を確保することができたり、多様な生態系を保つことができるといった優れた機能を持っています。トウモロコシは現金収入にはなりやすいのですが、直射日光を好むためコーヒー等の樹木を切る必要があり森林は破壊されてしまいます。
 
お金がかかるので化学肥料や農薬も使わないのが基本です。収穫を終えた残さは牛の餌として使い、牛の糞は乾燥させて肥料として活用。村の中で資源循環の仕組みがつくられています。助け合いの風習もしっかりと残っており、たとえばお父さんの兄弟は、他の兄弟の子どもも自分の子どもと同じように支援をするそうです。
 
辻村先生は、森を守り、もう一度、村の教育費や医療費を確保したい、と2001年に「ルカニ村フェアトレードプロジェクト」を開始。コーヒーの最低買取価格を保障した上で、さらにフェアトレード・プレミアム(産地の社会開発のための還元金)を加えた価格で販売しています。
当日はルカニ村のコーヒーを提供。ほどよい酸味と高い香りを楽しみました。参加者からは「休学中の中学生は何をしているの?」「地球温暖化の影響はあるの?」といった質問が出され、熱心に答えてくださる先生との話しが尽きませんでした。
 
私たちの暮らしに身近なコーヒー。貧困や教育、環境といった生産地の問題に関心を持ち続け、飲むことで応援できればと思いました。
 
文/環境市民 コーディネーター 有川 真理子
 
 
 
 

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