樹齢40年の経済的価値 | 認定NPO法人 環境市民

樹齢40年の経済的価値

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

雨の止み間の週末、奈良の実家で子どもと梅採りをしました。
梅がなるのは文字どおり梅雨の季節で、
いつ雨が降るかわからないため収穫時期をあらかじめ決めるのが難しいそう。
雨になるとぽとぽと下に落ちてしまい、
落ちてしまった梅は傷がついて梅干しや梅酒作りに使えない。
今回、タイミングよく収穫時期に来ることができてラッキーでした。

採りやすいところの梅はお手伝いに来てくれた方が採ってくれたとのことで
ハシゴに上って枝を手繰り寄せながらの収穫です。
老木で5、6年ほとんどならなかったので、諦めてほったらかしだった梅の木。
枝が重なり合って、本当に採りにくい!
でも今年は数年振りの大豊作とのこと、
なかなか手が届かない場所には枝いっぱいに鈴なりになっていて、
思わず子どもそっちのけで自分が夢中になって採っていました。
親子3人で黙々と1時間半ほどで16Kg!
子どもも「私が上る!」「私が採る!」と収穫体験を楽しんでいたようです。

また来年も楽しみねーと言いたいところなのですが
この梅、来年には伐採されているかもしれません。
土地を売ることになり、更地にする必要があるのです。
ここには梅の他にもスモモやびわ、無花果、柿、三宝柑、金柑、レモン、ゆず、栗……。
なんとか移植をしたいところですが、移植にはクレーンが必要になるため
土地代より高い移植費用になるそうです。
土地に生えている果樹は土地の価値にはならず、むしろ負の価値になるのですね。
なんだか納得がいかないのですが、自分が払うのでお願い!
という余裕もなくよい提案も思いつかず。
代わりに新しい苗木を買って植えたらいいと言われましたが、
そういうことじゃないのよね……とうまく伝えられません。
40年ほどずっと実り続けてくれたこの梅の木に、
寿命を全うするまで生きていてほしいのですが。

せめて、伐採されてごみとして廃棄されないように、薪にして売るとか、
チップにして活用するとか、使ってあげることができれば、
それも循環なのかなぁと、そんなことを考えた週末の1日でした。
(む)