相変わらず原発推進? エネルギー基本計画 | 認定NPO法人 環境市民

相変わらず原発推進? エネルギー基本計画

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

11月5日、衆議院会館1階のホールで行われた「国会エネル
ギー調査会(準備会)」(以下エネ調査会と略す)が行われ、
傍聴してきました。

会場には、原発ゼロの会の議員が数名、資源エネルギー庁職員
(以下エネ庁)が7名、有識者が2名。傍聴人として、エネル
ギー基本計画の中身がどのようになるか垣間見ることになりました。

このエネ調査会で、まず議論に挙がったのが、「脱原発派が多
くやめ、代わりに積極的な人が入ったこと」です。
エネルギー基本計画を議論する委員会の委員が、政権交代後に
5人入れ替わりになりました。その場で、基本計画の委員会での
発言記録が読み上げられました。

「原発を使うべき」という考えの発言が新しく入った委員達か
ら多くありました。この発言がもっと新聞の一面に乗れば、
一般市民がなぜ?と思うような内容の発言です。
そこで、委員のバランスが問題と指摘されました。このような
構成の委員会が出した結論を世間に押し付けることは到底受け
入れられないという意見が出ました。

次に、エネ庁が配布した資料のデータが最新ではないことが指摘
されました。エネ庁の配布したエネルギー資料の中に、発電方法
の違いによる費用比較のグラフがあります。そこで、一番に目に
付いたのは「原発が、ほかの電力に比べ安い」という点です。

なぜ原発が一番安く表にあるのか?、その理由は、2011年の事故
前に計算された原発の電力コストが使われていたからです。

エネ庁の職員が持ってきた資料、それは委員会での議論の場で使
われている様な資料です。まず、判断の元となる基礎データから
議論が誘導的であると、有識者から意見がありました。

さて、エネ庁のこれに対する説明がありました。
それは、原発をどうするかの未来が見えなていないから以前の数値
を示しているのだと。しかし、複数のシュミレーションはすぐにで
き、除染費や原発を止めている時点で、現在の原発の費用は火力よ
り高いことを慶応大 金子先生が指摘しました。

さらにエネ庁は、前政権で試された国民参加型の議論の行方につい
ては、取り扱いの方向性が未定であると発言。
委員会の構成の問題に関わりますが、委員会が民主的手続きなしに
委員が選ばれ、そこで委員の方々がどんなに真面目に紳士に議論を
しても、そこで出た結論はどれだけ重みがあるのでしょうか?

傍聴に行って、明確になった事があります。
エネルギー基本計画は、今後のエネルギー政策の柱となり、これは
エネルギー行政を左右する大事な計画です。しかし、その基本計画
をどう作っていくか、議論はどうかなど、中身をよくよく見てみると
原発の扱いを事後前と同じようにしようとしていることが分かりました。

この先の将来の方向性を決定的に変える転機に、とても大事なことが、
小さな委員会の中で、市民に問いかける事なく、説明の義務もなく、
もちろん相談もなく決まろうとしているようです。

これでいいのでしょうか?

(もも)