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きれいな海、生き物のために デポジット制度導入を決定

カテゴリ:Sydney diary|更新日:2015年3月16日

コーディネーターの有川真理子です。12月からシドニーで、NGOのアドボカシーや持続可能な消費などをテーマに調査をしたり実際にいろんな経験をしたりしています。現地での暮らしや仕事を通して感じたこと思ったことを紹介していきます。お楽しみに!
(本事業は外務省主催 2014年度(第8回)NGO海外スタディ・プログラムを活用しています)

 
「ニューサウスウェールズ州は2017年7月に、飲料容器に対しデポジット制度を導入する」
うれしいニュースが飛び込んできたのは2月21日のこと。

 
デポジット制度とは、飲料を販売する際、販売価格にいくらかの金額を加算し、消費者が容器をスーパーなどに返却した場合、加算した金額を消費者に返すことにより確実に容器を集めるという仕組みです。ニューサウスウェールズ州の場合、加算金額は一容器あたり10セント(10円前後)になるだろうといわれています。ちなみに回収した容器はリユースではなくリサイクルされます。
 
この運動を10年以上にわたってリードしてきたのが、地元のNGOネットワークThe Boomerang Allianceです(主幹事団体:Total Environmental Centre)。ちょうどインタビューをしたところだったのでニュースを聞いたときには私もとてもうれしく思いました。
オーストラリアではすでに、南オーストラリア州が1977年に、ノーザンテリトリー州が2012年に同制度を導入し、南オーストラリアのリサイクル率は79.5%となっています。オーストラリアの飲料容器のリサイクル率は35から40%なので約倍です。
  
 
残りはどこに行っているかというと埋め立て地、もしくは海岸や雑木林、まち中に散乱ごみとなってちらかっています。オーストラリアにはきれいなビーチ、ハイキングにぴったりな雑木林がたくさんあります。せっかくのきれいな自然の中にプラスチックボトルや缶が捨てられているのは本当に残念です。この状況に心を悩ませているオーストラリア人も多く、世論調査では常に85から95%の人がデポジット制度の導入に支持をしていました。
 
日本では、デポジット制度の導入と散乱ごみ問題はあまりつなげて議論されませんが、80年代にデポジット制度を導入したスウェーデンでも散乱ごみ問題はデポジット制度導入の理由の一つになっています。
散乱ごみは景観の問題だけではありません。容器包装以外も含まれますが世界全体では毎年約880万トンものプラスチックごみが排出され(※1)、鳥やカメなど海に生きる生き物が誤飲し、命を落としています。
 
デポジット制度の導入によってニューサウスウェールズ州のリサイクル率も現在の倍、約80%程度になるだろうとNGOの人たちは予測しています。デポジット制度導入のメリットは回収率が高まることだけではありません。募金集めにも役立つことが予測されており、The Boomerang Allianceの代表であるJeff Angelさんは少なくとも年間約6,500万円がいろんな募金集めによって集まるだろうと予測しています(※2)
 
多くの市民の支持にもかかわらず長年苦戦してきた背景には、コカ・コーラをはじめとする飲料業界の強力な反対活動がありました。新聞やラジオなどあらゆるメディアを使って「一家庭あたり年間300ドル(約3万円)の負担になる」と宣伝し続け、消費者の誤解を誘導。定価に加算されたデポジット料金は返却さえすれば消費者に返却されるので約3万円もの負担になることはまずありえないのですが……。あまりよく事情がわからない市民にすれば出費が増えると聞けば支持を躊躇するのも無理はありません。この他にも選挙活動の際、政治家に圧力をかけたりと、今回もあの手この手を使って最後の最後まで圧力をかけていることがメディアから報道されていました。
 
執拗な圧力にもめげず、ねばり強く頑張ってきたのがThe Boomerang Allianceを中心とするNGOやボランティアのみなさんです。私も12月に、彼らが主催した、州知事Mike Baird氏の事務所の前デモンストレーションに参加しました。デモンストレーションといっても、「マイクー! デポジット制度を導入しろ〜」といったシュプレヒコールをあげたりするわけではなく、とてもかわいらしいパフォーマンスです。まず、クリスマス前だったので、缶やペットボトルで飾り付けをしたクリスマスツリーを事務所前に設置。次にデポジット制度の導入をすすめるクリスマスソングの替え歌をみんなで歌い、最後に署名を提出しました。
 
ほんのわずかでしたが、今回のグッドニュースにつながるアクションに参加できたのはとてもラッキーでした。提案する制度の分析をし、公表し、署名を集め、メディアに働きかけ、デモンストレーションを行い、勉強会をし、政治家とミーティングを重ね……ここまでの道のりを想像すると本当に大変だったと思います。おめでとう!の一言に尽きます。(写真上はモデルのLaura Wells さん(左から3番目)とBaird氏に33971の署名を提出したところ。左端がJeff Angelさん。写真提供:Boomelang Aliance)
 
ニューサウスウェールズ州の快挙に続き、次はお隣、ビクトリア州でも導入しようという動きが高まっています。
3月1日はクリーンアップデー。オーストラリアの各地でごみ拾いイベントが開催されます。今年はグッドニュースを受けて、さらに盛り上がるのではないでしょうか。
 
 (左から2人目が知事、Baird氏。写真提供:Boomelang Aliance)

Others 

 
Choiceというオーストラリアの消費者団体を紹介します。世界に数ある消費者団体の中でも私が(勝手に)好きなと消費者団体の一つです。特に、質の高いアドボカシー力とメディアの使いこなし方が魅力的です。 
 
「エシカルコンシューマー」という言葉が日本でも聞かれるようになってきました。「エシカル」には「倫理的な」「道徳上の」といった意味があります。市民が環境や人権、労働、動物の福祉、社会貢献などに配慮した製品やサービスを選択することによって、社会を変えていくことを目的として80年代に英国ではじまりました。
 
「量り売り」は容器包装ごみを減らすこともできるし、必要な分だけを購入できるので食べきれずにごみになってしまうという事態も避けられる……と環境市民でいつも伝えていますが、日本には「量り売り」があまりないのでこれを実感するのはなかなか難しいもの。今回は日々のご飯をつくるときに「量り売り」の便利さ、楽しさを実感しました。
 
オーストラリアの場所にもよりますがシドニーは日本と同じぐらいの硬度なので水道水を飲むことができます。おかげでお財布が助かりました。世界ではじめてペットボトル入りの水の販売を自主的に禁止した町、バンダヌーンを紹介します。
 
6.ファッションで難民、移民の方をサポート
難民や移民としてオーストラリアに来た若者を対象に、洋裁や販売の教育、研修、雇用機会を提供し、難民の人たちの豊かな創造性を広げることを目的として2014年にオープンしたファッションストア"The Social Outfit"を取材しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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