雨トイレ | 認定NPO法人 環境市民

雨トイレ

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不思議なことに、雨の降った後は、トイレが少し臭い。

そんな経験はありませんか。
ここ数年間、その現象に悩んだことがあります。
気のせいかなとも思っていましたが、
最近、ようやくその回答を見つけることが出来ました。
どうやら強い雨の降った日には、
下水が「逆流」することがあるようです。
下水は、生活排水・し尿・そして都市に降った雨水を集め、
処理施設で綺麗にして自然に返されます。
雨水は、本来、治水(浸水を防ぐ等)のため下水に流されています。
また、大気や地表面で汚れてしまうため処理施設に回すそうです。
雨が強く、処理施設の能力を超えた場合に、
綺麗になっていない下水が下流に漏れ出したり、
逆流したりするケースがあるそうです。
昨今、台風やゲリラ豪雨等の強い雨が降る場合は、
特に顕著で、都市の拡大+環境の変化(気候変動)の効果で、
下水処理施設に能力を超えるケースが増えてきているとか。
まちによって、途中に貯水池を設けたり、
雨水と生活排水の下水管を分離したり、
いろいろな対策もされているそうですが、
水道インフラにお金が回らないまちもあるようで、
このようにトイレが臭くなります。
困ったものです。
一極集中の人口、
熱帯の国のように雨が突然滝のように降ってくる気候、
雨水を浄化処理しなくてはいけないくらい汚いまち……。
はてさて、どこから手を付けたらいいものやらと、
臭いトイレを目の前にして、考えるのでした。(そ)