弁当男子デビュー♪ | 認定NPO法人 環境市民

弁当男子デビュー♪

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

Vol.554に「おいしいってなあに?」というコラムを書いた。
いつもコンビニ弁当かカップラーメンで昼食を済ませていた
元同僚。生きづらさを抱えている彼に変わってほしくて、
自分でおにぎりを握ってくることを、しつこくしつこく
勧め続けて約半年、適当に聞き流されていたと思っていたが、
私が退職する前の最後の出勤日に、おにぎりを持ってきた!
「今日だけ」と言っていたが、駅前に何もない職場に異動に
なったことをきっかけとして、弁当男子になったらしい。
以前までなら、新しい職場にはバイクで、途中にコンビニに
寄って、昼食を購入してから出勤するつもりでいたというが、
どうやら1年半いっしょに仕事をしたことで、心境の変化が
起こったらしい。朝に自分でお弁当箱に詰めて、電車で
通勤しているのだとか。
毎日ではなく週3日、まだ自分でおかずを作ることはできず、
前日の残り物や冷凍食品を利用しているらしいが、それでも
前に比べたら格段の進歩だ。
自分で詰めることで、ご飯とおかずの詰め方や色合いの工夫、
きれいに食べて弁当箱を洗ってから持ち帰るなど、これまで
考えたこともなかったさまざまなことに気づいて、楽しんで
いるらしい。
周囲の人から「自分で作っているのか!」と驚かれるのも
うれしく、ちょっとした自信になっているようだ。
弁当男子デビューへの働きかけ、大成功!
そんな彼の変化がとてもうれしくて、ついきゃあきゃあと
はしゃいでしまい、「人ごとやで、なんでそんなに喜ぶの」
と彼にあせられた。でも、その反応によって、ますます
やる気になったらしく、新しい弁当箱を手に入れたり、
丼ものに挑戦したり、と次の創作意欲がわいているようだ。
あまり一度にいろいろ言っても、と思って黙っていたが、
冷凍食品に頼ることの問題にそろそろ気づき始めている
ようなので、その栄養バランスの悪さ、安全性への疑問等に
ついて、小出しにしながら伝え始めた。
そして、お弁当本をプレゼント。おかずの週末作り置きを
勧め、簡単なコツを紹介し出している。彼は冷や汗を流し
ながらも、少しずつ取り入れていってくれそうだ。
近年は、「お弁当持参で」と呼びかけると、出来合いのものを
買ってくる人が普通になってしまった。
だけど、自分の弁当を作るのはそれほど難しいことでもない。
こんなふうに、知らなかった楽しさ、うれしさ、よろこびに
目覚め、食をめぐる問題に気づき、生きる力を身につける
人が増えていくことを期待したい。
(げの字)