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100年安心?年金制度の破綻で起こること

カテゴリ:電子かわら版コラム|更新日:2019年6月12日

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

年金の周辺は、かねてから問題が絶えないという印象があります。
2004年に個人情報の漏洩事件があったのに続き、公的年金流用の問題が浮上し、
グリーンピア事業に代表されるように
年金の給付以外に7兆円近い額が流用されていたことが発覚。
2007年にはいわゆる「消えた年金」問題で、第1次安倍政権は
「最後の一人まで調べてお支払いする」
と国民に約束したものの、全容解明はできずに調査は打ち切り。
相次ぐ問題に2010年、社会保険庁は解体され、
新設の特殊法人日本年金機構に事業が継承されました。
しかし、組織が変わってからも、個人情報の流出事件は起こっており、
信頼をおける組織になったとは言いがたいと感じています。


さて、厚生年金や国民年金として私たちが預けた保険料は、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に渡り、運用されています。
以前はその資産の約7割は、安定的とされる国内債券で運用されてきましたが、
アベノミクスの一環で、国内外の株式の運用比率がそれまでの倍の50%に引き上げられました。
これは私たちの年金の支給額を増やすためというよりは、
景気が回復しているように見せるため、
高い株価を演出する原資として流用されているという見方が一般的です。
年金資産は、株式市場の変動の影響を受けやすくリスクの高い構成となり、
結果として、株価が急落した2015年には約8兆円の損失、
そして昨年末にも15兆円近い損失が発生しています。
なお、2016年の衆院予算委員会で安倍首相は、運用に失敗したら
「給付で調整するしかない」
と答弁しています。
高いリスクを認識しつつ、将来的には年金カットがありえると言い放っているのです。
今度は「消える年金」問題の発生かも。


そんな中で、公的年金の今後100年間の支給水準の見通しを示すための、
5年に1度の財政検証の時期が来ています。
物価や賃金の見通し、人口推計などを基に試算されるものです。
前回は6月初旬に公表されましたが、支給水準が悪化するのは確実のため、
今回の公表は夏の参院選後になりそうとのこと。
選挙前に知られるとまずいから隠しておこうというのは、
政権与党としてまったく誠実な態度ではないなあと感じています。


現代の少子高齢社会は何十年も前から予測できていたことでした。
何も手を打たずにその時代に突入し、また適切な資産運用をせず、
さらに公正誠実な予算執行もせず、
原資が足りないから将来の年金の給付は保証できませんというのは
政治の無能以外の何ものでもないと私には思えます。


ところで私の子ども時代、公的年金の受給開始年齢は60歳でした。
現在は原則65歳からです。
先日、気になることを聞きました。受給が60歳からだったころ、
60歳で定年退職した人は5年ぐらいは自由を満喫し、遊び飽きたころに地域活動に目覚め、
65歳ごろから自治会活動や市民活動に参加して、その牽引役となっていたそうです。
受給が65歳からになったことでそのタイムスパンが5年後ろ倒しになりました。
すると、遊んで地域に戻ってくるのは70歳ごろになります。
それぐらいの年代は、ちょうど体力的に「ガクッと来る」頃にあたり、
新しいことに挑戦する意欲を削がれるときなのだとか。
そのため、地域活動の担い手が減っているのだそうです。
年金の受給開始時期が遅くなったことで、
地域の活力が低下しているということが起こっているのです。
政府は受給開始時期をさらに70歳に引き上げたいという思惑を持っているようですが、
そうなると地域を支える人材はいるのでしょうか。


国の財政が厳しいのは動かせない事実ですが、
将来予測とあるべき未来像から逆算して政策立案をすれば、
今のような事態にはならなかったはず。
「政権担当能力がない」とはこのことでは。
「2000万を貯めるより、選挙で現与党を追い落とす方がたやすい」。
この夏の国政選挙では、
私たちの未来に適切な施策を執ってくれる人や政党を選びたいものです。
(げの字)

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