情報をどう読み解く? | 認定NPO法人 環境市民

情報をどう読み解く?

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思わずテレビに突っ込んでしまったのは、
気になるニュースを短く伝えるコーナーでした。
ニホンイトヨリ は「ニホン」という名がついていながら、
主に台湾や東南アジア周辺海域に生息しているのため、
これまで日本では確認されていなかったこと、
実はドイツの魚類学者が
インドネシアのジャワ島周辺で見つかったとされる標本に、
誤って「ニホン」とつけてしまったことなどを伝えていました。

そのニュースを受けて
スタジオで進行役のアナウンサーが一言コメントしたのが、
「これで胸をはれますかね」
でした。
一瞬でした。
そのまま次のニュースに変わっていきます。
「ちょっと待ってよ、誰も突っ込まないの〜!」

本来なら、生息域の違う南方系の魚が
日本で発見されたことそのものがニュースです。
結局、何事もなかったように番組は進行していきました。
前述のアナウンサーは、
「ようやくニホンって名前が本当になったね」
というニュアンスでコメントしたのだと思われますが、
台湾や東南アジア周辺海域に生息している南方系の魚が、
鹿児島県種子島沖で初めて確認されたという事実から何を読み取るのか。

いくら黒潮にのって流れてきたとしても
南方よりも冷たい海水温では生きていけないはずなのに、
生き延びていたということは海水温が上昇しているということではないのか、
胸を張れるというニュースではなく、
心配しなければならないニュースではないのか。
着目するポイントがずれただけで、
本来なら伝えられるべき大切な情報が伝わらず、
視聴者に誤った意識を持たせてしまうこともあるかもしれません。

起きていることを伝える情報、
これをどう受けとめ読み解くのか、
受け手側にも社会的な意味を捉える力が
ますます重要になっているとあらためて感じました。
(イバラノカンザシ)

<参考>鹿児島大学ウェブサイトより
【博物館】日本初!ニホンイトヨリを確認

<執筆者紹介>
ペンネーム:イバラノカンザシ
ドリトル先生に憧れ、海の中の生きものといつか話ができることを夢見て世界の海に潜り続けています。
最近、海の中にいると一瞬エラ呼吸できそうな気分になります。