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放火魔が消火器をくれたようなCOP27

カテゴリ:電子かわら版コラム|更新日:2022年11月23日

このコーナーでは、ウェブやメールマガジンの企画運営を行っている「電子かわら版チーム」メンバーのコラムを紹介しています。一緒に企画運営をしたいボランティアも随時募集中です。関心のある方は京都事務局まで。

エジプトのシャルム・エル・シェイクで、
11月6日から20日まで開催されたCOP27
(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)。
「シャルム・エル・シェイク実行計画」が合意されました。


COP27の最も大きな成果は、「損失と被害」の救済のための
基金が創設されることが決まったことです。
温室効果ガスの排出が多い先進工業国が、
排出は少ないが気候変動により自然災害等の大きな損害をこうむる発展途上国に対し、
被害の軽減のために資金を提供する枠組みです。
気候変動が国際課題となった1992年から
ずっと途上国側が求めてきたことがやっと結実しました。
ただし、どの国が資金を出すのか、この基金による支援の対象はどの範囲かなど、
制度設計は次回のCOP28に委ねられており、その過程は簡単なものではなさそうです。


一方で、肝心の「温室効果ガス排出量の削減」を強化するような内容は
何も合意されませんでした。
前年のCOP26でも確認された、決定的な被害を回避するための「1.5℃目標」と、
そのための化石エネルギー削減の方向性こそ堅持されましたが、
その実効性を担保するための新しい決意が宣言に盛り込まれることはありませんでした。
しかも、温室効果ガスの排出が比較的少ない化石エネルギーの使用が
容認される(たとえば石炭の代わりに天然ガス)とも読める文言が入っています。


30年来続いてきた「本当は減らしたくない」議論が、
結局は今回も繰り返されたのがCOP27でした。
被害国への資金拠出はすばらしい成果ではありますが、
その被害を小さくするための努力は拒むというのはどういうことなのか。
いわば、他人の家に放火をして、しかも扇いで炎を大きくしながら、
その家の人に消火器を差し上げるようなものではないのでしょうか。


10月には国連環境計画(UNEP)が、各国が発表している現状の政策のままでは、
今世紀末の気温は2.8度も上昇することになるという報告書を出しています。
「気温上昇を1.5度以下に抑える機会は失われつつある」というその警告が、
COP27で真摯に受け止められることはありませんでした。


今回のCOPではこれまでで一番、子どもや若い世代、
途上国の人々の活発な行動が現れたように見受けられました。
被害当事者である彼らの切実な想いが、政治の世界に反映されるようにするために、
私たち一人ひとりには何ができるのだろうと
あらためて感じさせられたCOP27でした。
(げの字)


<今週のコラムニスト>
ペンネーム:げの字
環境市民の設立3年目からの会員で、かつて事務局スタッフとして広報や環境教育を担当。
1997年のCOP3時には休学して気候変動防止キャンペーンで近畿一円を駆け回った。
新たな動きを模索中。

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