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環境市民のビジョン

4.2.5 海外の実例から見えるもの 相乗効果

文:杦本 育生

 ドイツ、北欧ではグリーンコンシューマーがかなりの影響力を持っているといわれる反面、実はそんなに力はないという議論が日本である。実際に私たちがドイツ北欧で環境NGO、消費者団体、流通事業者を訪れ、交流した結果からいうと、ある程度の影響力を持ちだしているということは言えるのではないだろうか。
 例えば人口500万人強のデンマークにおいて、デンマーク生協の環境担当責任者は、購入時に環境、動物愛護、人権を考慮しているという人が220万人、ものを買う買わないで政治的な意思表示を行うというが180万人(上記と重複有)とデータを示し、環境への取組はデンマーク生協の最大の課題であると明言した。そして最も力を入れている取組としてPVC系の製品及び包装をデンマーク生協から完全に撤去するプログラムをすすめている。
 ところで、このような流通小売業の活動とグリーンコンシューマーの活動が相乗的にプラスの回転すれば、ごみ減量と地球温暖化防止に大きな役割を果たすと期待されるが、その一例としてドイツのブントとヘルティーの取組*について述べておく。
 ブント(ドイツ自然・環境保護連盟)は会員22万人のドイツ最大の環境NGOのひとつであるが、1991年に百貨店ヘルティーとの提携による包装削減作戦を開始した。ブントは削減を具体的に提言するためデパートの地下から倉庫まで、食堂から商品搬入部まで隅々を調査した。そしてヘルティーとの対話の中で6つの対策が提言され実行に移されている。

(1)販売を断念することで包装も必要をなくす 製品のリスクが高いもの、例えば液体柔軟材や化学殺虫剤の販売を取りやめた。このことでその製品の容器や包装材も必要なくなった。

(2)裸売り、バラ売りで包装をやめる 鉛筆や消しゴムなどが無包装で売られている。また食料品売り場では、容器を持ってきた消費者にに魚、ソーセージ、肉などを裸売りされている。

(3)再使用容器の利用 ビール、ミネラルウォーター、牛乳、クヴァーク(チーズの一種)、ヨーグルトなどが再使用容器で売られている。この容器にはデポジットが課せられていて40〜50回使われる。再使用びんの利用率は30%から70%に上昇した。

(4)つめかえによる包装の削減 消費者は製品を家庭で保存するため丈夫な容器を買う。製品は簡易包装のものになっていて自宅で詰め替る。洗剤などがその例である。また丈夫な容器そのものを店に持ってくれば、店でタンクから詰めてくれる。牛乳の場合に容器は「鉄の牛」と呼ばれている。

(5)加工よりも新鮮さを 食料品は新鮮であればあるほど、加工の度合いが低ければ低いほど、包装の手間はすくなくなる。それに対して加工食品は、長持ちさせ、風味を保たせるために、手のかかる包装が必要である。

(6)簡易包装による削減 メーカーの協力で包装を削減、例えば二重包装、密封ビニール、不必要な詰め物などをなくす。どうしても必要な包装はリサイクルされた材料を使い、単一の素材でリサイクルしやすいものにする。

* ヘルティーは、より大規模な流通小売りチェーンであるカールスシュタットの傘下に96年に入った。そのことによりブントとのパートナーシップ活動が弱まるのではないか、または解消されるのではないかという懸念があったが、97年7月現在そのような状況にはなっていず、包装削減以外にも複数の環境プロジェクトが進行している

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