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各地の2R先進事例 勇気の出る活動報告会・内容報告

カテゴリ:元事務局長 堀のブログ|更新日:2011年11月3日

このコーナーは,2002年から2013年まで環境市民の事務局長を務めた堀孝弘が,在職時に書いたブログを掲載しています。

「地域でつくった容器包装2R事例発表会」の報告

  10月28日、京都市左京区岡崎 みやこめっせで「地域でつくった容器包装2R事例発表会」を開催しました※。


容器包装ごみは家庭ごみの容積比60%を占めます。資源ごみや「容器包装プラスチックごみ」などを分別収集しリサイクル自治体が増えましたが、リサイクルの進展は地方自治体の負担増も招いています。本当に必要なのはリデュース(そもそも発生させない)とリユース(使えるものは何度も使う)の2R。各地の2R推進活動の実践者に集ってもらい、その経験を報告してもらいました。

 

◇ ラウィン・バスティアンさん 京都大学環境科学センター(JICA長期研修生インドネシア環境省職員)

 インドネシアでも増えているレジ袋の現状を通して、現地で困っていることやインドネシアの廃棄物政策を紹介してもらいました。

 徐々に東南アジア各国にも先進国型の生活様式が伝わり、直接埋立をしているインドネシアに深刻なごみ問題を引き起こしています。この点、「日本は早く、新たなライフスタイルの見本を示さないといけない」と思っていましたが、2008年に改正されたインドネシアの廃棄物処理法は、レジ袋の製造者特定ができるようにするなど、日本や他の先進国の廃棄物法より先進的な面があると感じました。

 

◇ 大澤 浩子さん (財)千里リサイクルプラザ研究所 市民研究員

 祭り・イベントでの容器包装ごみ減らしで成果をあげているリユース食器の普及活動や、貸出システムを作られた経緯などを紹介してもらいました。吹田市にある千里リサイクルプラザを拠点に、「エコイベンントプロジェクト」として、リユース容器の普及活動に取り組まれています。きっかけとなったのは、メンバーの一人が、あるお祭りの後、大量にごみが出ている光景を目の当たりして嘆いたことだったそうです。

 2002年2月からプロジェクトを立ち上げ、同年後半にはリユース容器の貸し出しシステムを立ち上げましたが、当初は阪大生協から食器を借りたり、小学校で不要になった食器をもらい受けての事業スタートだったそうです。現在では食器18,900個、4,500箸をそろえるまでになり、吹田市外も含め、年間100件以上の貸し出しをされています。年間100件以上ということは、ほぼ3日に一度の貸し出しですからたいへんな「繁盛」で、それだけ多くの人から期待が寄せられていることを示しています。もちろん、ここに至るまでには、イベントのたびに会場での回収の声かけや、イベント後の食器洗浄や乾燥など並々ならぬ苦労があったとのことです。作業面では2009年に大型の食器洗浄乾燥機を導入され、軽減されたものもあります。

 気になるのはごみ減量効果と回収率ですが、2010年度はのべ13万個の食器貸し出しがあり、これだけのプラスチック容器ごみの発生が回避できたわけです。また回収率についても、イベント会場でも熱心な声かけなどもあり、2010年11月に開催された吹田市制70周年記念フェスタでは8,025個の食器を貸し出し紛失は95個。回収率は98.8%だったそうです(他の会場でもこれに近い数値になっています)。

 2004年からは、他地域でリユース容器貸し出しに取り組まれている団体と「全国リユース食器フォーラム」が始まり、翌2005年3月には(財)地球・人間環境フォーラムの働きかけにより、リユース食器ネットワークが設立されるなど、各地に活動が広がっています。

 

◇ 小島理沙さん NPO法人ごみじゃぱん事務局長(神戸大学大学院経済学研究科 非常勤講師)

 NPO法人ごみじゃぱんは、日本の容器包装ごみ削減に向けて「減装(へらそう)ショッピング」を推進しています。減装ショッピングとは、なるべくごみが少ない商品を購入しようという、消費活動の提案であり、容器包装が少ない商品を作っているメーカーに元気になってもらい、日本全体の容器包装ごみを削減していこうという取り組みです。神戸市内を中心に活動し、ダイエー、コープこうべ、ジャスコの3社に協力してもらい、ごみじゃぱんの学生(神戸大学)が様々なイベントや調査などを実施しています。

 ごみが少ない商品を選択してもらうには、どの商品の容器包装が少ないか調べる必要があります。ごみじゃぱんは、いくつかのカテゴリーの商品(例えば店頭で販売されているおかき)を全て購入し、容器包装の重量を計測し、内容量あたり(商品によっては、1食あたりやmlあたりなど単位が違います)の重量を計算しランキングをつけ、上位30%程度の商品をごみじゃぱん推奨の「減装商品」として、店頭でのPOPやHPでお知らせしています。店頭で減装商品のPOP表示をした商品は、表示以前より売り上げがのびるなどの成果も出ています。

 意識調査などの本格的な社会調査から店頭でのパネル調査など、様々な調査を行っています。実際にお買い物をされている方の声や行動を知ることで、より伝わりやすい表現などを調べて、改善案を導き出しています。

 小学生・中学生等を対象にした「出前授業」も行い、活動紹介や容器包装の実測クイズ、買い物ゲームなどを行いながら、 容器包装ごみの削減に向けた取り組み方法を紹介しています。

 また、データだけでは見えてこない生活に根ざした情報も必要です。そのため、地域に暮らす人々に大学に来てもらい、お茶とスイーツを片手にお話しする「減装(へらそう)カフェ」を月1回程度開催しています。生の声を聞きながら、出てきた数字が現実の社会を反映しているのかどうか確認し、押し付けや環境一辺倒にならず、生活に見合った提案ができるよう様々な知見を集めています。
これらの成果として、あるパンメーカーが従来タイプより減量した包装を採用し、その袋に「減装商品」のロゴを入れるようになりました。生産者にも、包装の材質をより環境負荷の低いものに変えようとする動きがあります。たとえばプラスチックから紙など使用する材質転換に対して、包装の重量だけでは評価できないので、CO2の発生量など別の指標での評価にも対応を検討しています。

 

◇ 青木哲哉さん 東京都日野市環境共生部ごみゼロ推進課
日野市では1999年に日野市環境基本計画を策定後、翌2000年にはごみ有料化(有料指定袋制による)などの「ごみ改革」を実施、その後も2002年の第1次日野市ごみゼロプラン、2003年からのマイバッグ運動などを「ごみ減量推進市民会議」に集った市民や市内事業者とともに進めてきました。ごみ減量の成果も着実にあがり、2009年6月には「第2次日野市ごみゼロプラン」を策定し、そのなかの「当面取組むべき重点プログラム」として、「レジ袋無料配布中止の拡大」と「容器包装お返し大作戦の実行」が位置づけられました。

 レジ袋無料配布中止に向けて2年間のマイバックキャンペーンが実施され、100名を超える市民らとスーパー等での出口調査などを実施し、市内スーパーとレジ袋無料配布中止の一斉実施に向けて話し合いが進んでいました。ところが、2009年7月の一斉実施に向けた話し合いが、一社の離脱により中断し、「それなら」と、「容器包装お返し大作戦」を先に実施しようということになりました(いなげやなど、一部のスーパーはレジ袋有料化を実施しました)。

「容器包装お返し大作戦」は行政が資源として回収していたペットボトル、トレー、牛乳パックを、販売したスーパー等の店頭回収箱に「お返し」するよう市民に促すものです。目的としては、「容器包装削減・使い捨て商品の削減」「拡大生産者責任の追及(店頭回収の充実)」「毎年約7億円(回収・中間処理・発生抑制費等のリサイクル費用含む)ものリサイクル費用の軽減」などがあります。また、行政の回収頻度が少なくなることで、それまで混合回収していたペットボトルとトレー類を分けて回収することが可能になり、それによって中間処理施設の作業軽減もはかれます。

 2010年4月から市内全スーパーで実施され、それにともない行政のペットボトル・トレー類の回収は、それまで2週に一回から4週に一回に減らされました。それにより行政による2010年度のペットボトル回収量は、前年度と比べて24.8%減。トレー類は29.6%減となりました。更なる啓発の強化を通じて、一旦「延期」されたレジ袋の無料配布中止の市内スーパー全店実施を実現すべく、共同会議を継続されています。

 そんな日野市に力強い味方が出現。ごみ減量啓発戦士ごみゼロマンレッド! 馬場日野市長からもごみ減量啓発の特命を受け、日野市内で奮闘中!です。

 

◇浅利美鈴さん 京都大学環境科学センター助教 3R・低炭素社会検定 実行委員長

「市民×産×官×学」のあり方を模索して・・・と題して、「百貨店における容器包装削減の取り組み」や、京都市ごみ減量推進会議と実施した「エコ商店街の取り組み」、ごみの知識を得て、減量活動を推進できる人材養成を目指す「3R・低炭素社会検定」、京都大学におけるレジ袋削減やマイボトルキャンペーンの取り組みなどを紹介してもらいました。

 まず、買い物の仕方によって発生する容器包装ごみが如何に違うか、京都市ごみ減量推進会議が実施した実験結果が紹介されました。同じ買い物でも、標準的な買い方に対し、個包装の食品を中心に買い物した場合、発生する容器包装ごみは3.3倍になる、逆になるべく包装されていない食材を選ぶなどすれば、標準的な買い物の6割程度に減らすことができるというものです。

 事例の最初として「百貨店における容器包装削減の取り組み」は、京都と新宿の髙島屋で2008年に取り組まれたクリスマスプレゼントのノーラッピングが紹介されました。クリスマスプレゼントの箱および包装紙を断ったお客さんに、古紙製のくまのオーナメントをプレゼントするというもので、当初「クリスマスプレゼントでエコ包装の利用者などいないのでは」という声もありましたが、実際には334点の利用があり、消費者の意識の方が売り手より進んでいることが明らかになりました。翌年からは全店で実施されることになったとのことです。他、「新たなリユースへのチャレンジ」として、2008年デパチカなどで販売される惣菜容器のリユース「おかえりプレート」や翌年の「帰ってきたおかえりプレート」の実験が紹介されました。

 商店街の取り組みでは、京都市左京区の出町商店街での事例が紹介されました。この取り組みでは、商店街をまちの心臓と位置づけ、店の人のやる気を引き起こし、お客さんとのコミュニケーションによって容器包装削減に結びつけようとはかられました。取り組みのひとつに、レジ袋やトレイを辞退をした人へのスタンプ押印があります。10個貯まれば特典を提供しましたが、そのスタンプは、京都精華大学の芸術系学生が一店ごとに違うデザインを施したもので、集めたくなるデザインのものです。スタンプの押印が会話のきっかけとなる「仕掛け」でもありました。

 一方、「リサイクルしてはいけない」など環境行動に対して懐疑的な情報が氾濫するように出た時期がありました。地域リーダー層には多少難しくても正確な知識をもち、知恵を生み出す力が求められます。このような3Rの知に対する潜在的なニーズを背景に生まれたのが3R検定(現3R低炭素社会検定)です。検定合格者に対して合格者ミーティングや毎月のニュースレター発行、活動支援・調査プログラムが実施などのフォロー活動が実施されるなど、「検定して終わり」ではなく、動く人、動ける人の養成を目指していることが紹介されました。

 最後に「今、思うこと」として、以下のことが紹介されました。
・何事も時間はかかるが、ひとつひとつ、成果を評価しながら前進(継続)することが重要。
・2Rは、確実に抵抗が大きいので、気力・忍耐力と知力が必要
・特に、人と知恵のネットワークが武器になる
・ごみの視点からは、「もったいない」実態は続いており、まだまだ先は長い。

 

《堀から》
5人の報告を受けた時点で、残念ながら次のセッションに会場を渡す時間となったため、それぞれの発表者から、他の実践者の活動を聞いて、参考になったところや「こんなコラボができるのでは…」など、話を深めることができませんでした。それでも、参加者も発表者も普段聞けない他地域の実践や工夫を知ることができ、それぞれに刺激を受けたようでした。

 今回、生活者、行政職員、NPO、研究者など様々な立場(複数の立場の人も)から事例報告を受けました。研究者としてのデータのまとめ方や小売・生産者に影響を与えたデータの力、商店街など面的な広がり、自分たちのまちから他のまちへ広げていった事例、市民団体の熱心な支援を受け行政が地域に広めた取り組みなど、様々な事例から多くの学びがありました。

 また今回、遠路東京日野市からも来てもらいました。インターネットなど情報メディアやツールは発達しましたが、やはり人が集まっての直接交流に勝るものはありません。これを機に地域を越えた交流や、取り組みそのものの地域間協働などが盛んになれば本当に幸いです。

 

※主催は京都市ごみ減量推進会議、企画・運営=環境市民。この日から10月31日まで開催された「3R全国推進大会」内のイベントとして実施しました。

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