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13 「拡大生産者責任」と「循環型社会基本法」の改定について

文:堀 孝弘

 先に日本の環境庁が「循環型社会基本法が『拡大生産者責任』を踏まえた処置を国の施策として明示」と紹介している、と書きました。筆者のような市民活動をしている者だけでなく、研究者の多くもOECDの解釈と同様、「拡大生産者責任」とはドイツはじめ西欧諸国が採用している事業者による製品・容器の使用後の回収処理責任または費用負担、さらにはその費用を製品価格へ含めること(内部化)を考えています。「循環型社会基本法」には、リサイクルの事業者責任について原則提示がなく、個別リサイクル法に委ねているため、製品によってリサイクルの方法や費用負担に大きな違いが発生するなど混乱を生んでいます。
 例えば、「家電リサイクル法」では、税金を使わず消費者がリサイクル費用を負担することになりました。容器包装リサイクル法と違い、税金によってリサイクルすることから比べ前進ではありますが、廃棄時にリサイクル費用を払うことにしたため、不法投棄をした方が得だと考える不心得者が多発しました。たとえ一部でもそういうことをする者がいると社会は大きな損失を被ります。いつか支払わなければならない費用なら、商品購入時に価格の一部として負担した方が合理的ですし、先に処理費用を払ってあるなら、人気のない所まで運んで不法投棄する方が手間がかかり、誰もそのようなことをしなくなります。
 ドイツの例で紹介したように、「拡大生産者責任」は環境負荷の小さい製品や容器を作り使った事業者、購入した者、適正な処理をした者がメリットを得る仕組みづくりにつながります。日本の「循環型社会基本法」は、このような原則を提示していません。ですから「大量循環」は実現しても、別の問題を引き起こすことも述べてきた通りです。まわり道ではありますが、環境を大切にした活動をした者がメリットを受ける仕組みの構築のため、何が必要か社会をあげた議論の上、同法の抜け落ちている部分を改定する必要があると考えます。

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